仮想通貨のウォレット業務を行っていたデジポケという会社が、8月27日に破産手続きを開始と決定されていたことがわかった。そして負債額は101億円にもなり、債権者に全額返済される見通しはほぼないという。仮想通貨取引所を選ぶにあたってはよく検討することが求められるが、それはウォレット企業でも同じであることが明らかになった。
もともとは取引所だった
これまで仮想通貨のウォレット事業などを行っていた株式会社デジポケという会社が破産した。同社は今年6月22日に東京地裁に対し自己破産を申請し、8月27日には破産手続き開始決定を受けた。
現在のところ債権者は約2,000名で、負債総額は101億円とされている。しかし同社の資産は101億円なく、債権者に全額返済される見通しはほぼないという。
デジポケは2016年に仮想通貨取引所を開始。当時は仮想通貨がほとんど普及しておらず、規制もあまりなかったため事業を続けられた。だが2017年になって仮想通貨ブームになると4月から仮想通貨取引所は登録制になり、登録できる見通しがないデジポケは仮想通貨取引所事業を断念した。
その後は仮想通貨のウォレット事業を主に行うようになる。ウォレットとは仮想通貨を保存しておく場所のことで、仮想通貨取引所は当然顧客の通貨を預かるウォレットを管理している。また個人で持てるウォレットもある。しかしデジポケはウォレット事業も継続することができず、4年後の2021年には破産となった。
破産に至った理由にはいくつかあり、過去のハッキングによって資金が流出して顧客に返済できるメドが立たないことや、ウォレット事業も認可が必要でそれが難しいことなどがあると見られている。
しかしこの事件からわかることは、ウォレット企業に仮想通貨を預けるなら慎重に企業を選ばないといけないということだ。本来は仮想通貨取引のために取引所を選ぶ場合も慎重に行う必要があった。
だが2018年1月のコインチェックネム流出事件などを経て、日本の取引所は規制が厳格になり、今では流出してお金が返ってこなくなるリスクはかなり減った。日本で登録済の取引所は、全額ではないものの預かり資産のうち流出リスクの高い分については返済原資の確保が求められている。
一方ウォレットもそのような厳格な管理をしている企業を選ばなくてはならない。特に海外のウォレット企業を使う場合何かあっても言葉の壁もあり、対応が難しくなるリスクがある。
ハッキングのリスクがほぼないのは、ハードウェアウォレットという仮想通貨を保管できる物理的なデバイスだ。これで常時インターネットに接続をせずにおけば、ハッキングのリスクはほぼない。ただし自分だけで管理するので、特に引っ越し時などになくすリスクもある。
仮想通貨は取引所に預ける以外にもいろいろ保管方法があるが、デジポケのような企業に預ける場合は慎重に選びたい。
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