BDC銘柄スロ・キャピタル【SSSS】が2期続けて超ビッグな配当を発表!

BDC銘柄のスロ・キャピタル【SSSS】が2021年8月3日配当を発表しました。2.25ドルです。

スロ・キャピタル【SSSS】の2021年8月13日の終値は15.97ドル、過去1年の配当は5.97ドルなので、利回りは37.4%です。

※スロ・キャピタル【SSSS】の配当は最近2回で一気に増えてたため、利回りの計算は難しいです。とりあえず、過去1年の配当で計算しますが、参考程度にしてください。

BDCとは?

BDCとは「Business Development Company」の略で、銀行から融資を受けられない新興企業や中小企業の事業開発に金融面を中心にサポートする投資会社です。クローズド・エンド型のファンドであり、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所などに上場しています。

新興企業は不安定ですが、成長すると莫大な利益をもたらす可能性があります。創業時のグーグルやアップルなどもBDCから支援を受けていました。

BDCに対する規制は?

BDCは利益の90%以上を配当に充てることで、法人税の免除を受けています。そのため高配当を実現できるので、インカム投資家に人気です。REITと似ていますね。

また、資産の70%を法律で定められた適格投資対象にすること、1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えることなどが定められています。

BDCにはどんな銘柄があるのか?

下の表は主なBDC銘柄ですスロ・キャピタル【SSSS】はBDCの中で規模は真ん中ぐらいです。

DEレシオは自己資本に対する負債額を示すもので、財務の健全性を測る指標です。BDCの場合は、自己資本の2倍まで借り入れることが可能です。つまり2倍までならレバレッジをかけて商売できるという意味です。ここに挙げたBDCは1倍前後なので、それなりに健全といえます。

NAV倍率は資本に対して株価が割高か割安かを示す値です。1より高いと割高になります。

配当利回り(過去1年)は過去1年の配当から算出したものです。

配当利回り(直近)は直近の配当が今度1年続いたものとして算出しました。こちらは特別配当を含んでいません

スロ・キャピタル【SSSS】の社名について

スロ・キャピタル【SSSS】は2020年6月に、Sutter Rock Capital Corp.からSuRo Capital Corp.へ社名変更を行いました。これは、2020年3月にSutter Hill Venturesから、商標および商号の使用の差し止めの訴訟を受けたためです。

投資先のセクターは?

スロ・キャピタル【SSSS】の投資先は後期のベンチャー企業です。一般的に、市場価値が1億ドル以上の企業が対象です。

投資先のジャンルは、教育テクノロジー、マーケットプレイス、金融テクノロジー、ソーシャル&モバイル、クラウド・コンピューティング&ビッグデータなどです。

投資先は?

投資先は上位5社で61%を占めており、結構集中しています。「Coursera」はオンライン学習サービス、「Course Hero」は教育技術Webサイト会社、「OZY」は国際的なメディアおよびエンターテイメント企業、「Blink Health」は医薬品のオンラインサービス、「Nextdoor」は近所向けのソーシャルネットワーク・サービスを提供しています。オンラインの中でもコロナ禍で強さを見せたジャンルばかりですね。

業績と予想

楽天証券のデータです。2021年はコンセンサスの予想です。2020年以降、当期利益はかなりのペースで伸びています。

EPSも2020年以降、かなり増えています。

スロ・キャピタル【SSSS】の過去の配当、年間増配率

スロ・キャピタル【SSSS】の配当は、最近3回は通常配当です。それ以前は、ロング・ターム・キャピタルゲインなど、イレギュラーなものです。決算は年4回行われ、3、6、9、12月の末に支払われるのが通常配当のようです。次回の配当落ちは8月17です。

スロ・キャピタル【SSSS】の期別の配当は?

下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。最近2回がかなり多かったですが、これが今後も続くかは微妙です。

スロ・キャピタル【SSSS】の年間配当額と年間増配率は?

スロ・キャピタル【SSSS】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。謎です。

スロ・キャピタル【SSSS】の株価と配当の関係は?

下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2021年を除いて年末のものです。連動しているようにも見えます。

スロ・キャピタル【SSSS】の配当について

スロ・キャピタル【SSSS】の公式サイトには、以下のようなことが書かれていました。スロ・キャピタル【SSSS】の配当は、現金もしくは普通株式で受け取ることができます。すべての株主に分配される現金の総額は、すべての株主に支払われる配当金総額の50%以下に制限されます。株主の希望する現金の額が配当金総額の50%を超える場合、保有する株式数に応じて、分配される現金総額が比例配分されます。
なお、これらの手続きは郵送によって行われます。

とあったので、楽天証券に問い合わせたところ、現金(米ドル)ですべて支払われるとのことです。

最近のスロ・キャピタル【SSSS】の株価と配当利回りは?

2020年1月以降のスロ・キャピタル【SSSS】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の配当利回りは約5.0%でしたが、2021年に入って、5月と8月に大きな配当が決まりましたので、利回りは爆上げとなりました。現在は37.4%です。

現在のスロ・キャピタル【SSSS】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ15.97ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを5%ごとに株価を出しました。今後、スロ・キャピタル【SSSS】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

競合銘柄とトータルリターンを比較する

スロ・キャピタル【SSSS】と主要BDC銘柄のエイリス・キャピタル【ARCC】、メイン・ストリート・キャピタル 【MAIN】、ハーキュリーズ・キャピタル【HTGC】と比較します。スロ・キャピタル【SSSS】が本格的な配当を支払い始めたがが最近なので、PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2018年8月から2021年7月までの3年間を比べます。

2018年8月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年7月には【SSSS】が2万4600ドル、【HTGC】が1万7400ドル、【ARCC】が1万5700ドル、【MAIN】が1万3000ドルになっていました。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去3年のリターン(年平均)は【SSSS】35.2%、【HTGC】は20.4%、【ARCC】が16.4%、【MAIN】が9.2%でした。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

【SSSS】はすべての値で最も優れています。最近2年はかなり好調です。それゆえ莫大な配当を支払うことができるのですね。

過去の分配金はどのくらいか?

2018年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

3年間の配当金の合計は【SSSS】が6900ドル、【HTGC】が3500ドル、【ARCC】が3300ドル、【MAIN】が2200ドルでした。やはり2021年の【SSSS】の配当はとんでもないですね。

スロ・キャピタル【SSSS】の今後の配当予想は?

現在の配当金額(5.97ドル)と過去の同時期の過去1年配当金額を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しようと思ったのですが、ここ2回が急激な増配なので、比較してもムチャクチャな結果になってしまいます。

YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。スロ・キャピタル【SSSS】株を2021年8月13日の終値15.97ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

現在の配当利回りは37.4%です。あまりにも利回りが高すぎるので、配当金額に変化のない場合、増配率がマイナス5%、マイナス10%、マイナス15%だった場合と比べます。

配当を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが37.38%なので、1年目の年間配当額は3738ドルです。

もっとも増配率の低い増配率マイナス15%のペースだと5年目の配当額は1951ドル、10年目の配当額は866ドルになります。配当が現在と同じ場合を当てはめると5年目の配当額は3738ドル、10年目の配当額は3738ドルになりそうです。配当額3738ドルはYOC(購入額に対する利回り)37.88%です。

配当を再投資する場合

つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在の株価と同じものとして年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い増配率マイナス15%のペースだと5年目の配当額は5517ドル、10年目の配当額は4802ドルになります。配当が現在と同じ場合を当てはめると5年目の配当額は13317ドル、10年目の配当額は65171ドルになりそうです。配当額65171ドルはYOC(購入額に対する利回り)651.71%です。

配当を再投資する場合(税引き後)

最後に配当を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は855ドルではなく、税引き後の616ドルになります。

もっとも増配率の低い増配率マイナス15%のペースだと5年目の配当額は3050ドル、10年目の配当額は2219ドルになります。配当が現在と同じ場合を当てはめると5年目の配当額は6983ドル、10年目の配当額は22995ドルになりそうです。配当額22995ドルはYOC(購入額に対する利回り)229.95%です。

現在の配当利回りが高すぎるので、このデータはあまりアテにならないですね。

まとめ

スロ・キャピタル【SSSS】は2度続けて、莫大な配当金の支払いを決定しました。

取締役会によると、11月に少なくとももう1回、今回や前回と同水準の高額配当を宣言する予定です。果たして実現するでしょうか?

スロ・キャピタル【SSSS】は2021年6月現在、日本の証券会社では楽天証券のみの取り扱いです。SBI証券やマネックス証券では購入できないのが残念です。

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